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地方と都市の情報・教育格差を埋め、
中堅・中小企業の元気につなげたい

ストロングポイント株式会社マネジャー坂田嵩佳

業界ではあまり例がないという「会員制」の研修サービスを、マーケットが小さく、また社員教育ニーズも少ないといわれる地方で展開し、中堅・中小企業を対象に顧客数を確実に増やす人材育成サービスのベンチャー、ストロングポイント株式会社。同社で活躍するのが、佐賀県佐賀市出身の坂田(さかだ)嵩佳氏。元々、主に首都圏や都市にある大企業を対象にした人材育成・教育研修ビジネスの大手企業でセミナー講師、営業職を経験した人物だ。四国、香川県を舞台に新規開拓営業、そして新人・若手・中堅社員向けセミナー講師として働く喜びや目標をうかがった。

地方の企業で情報・教育格差の解消を目指す

ストロングポイントは、研修による人材育成と、コンサルティングによる企業支援を両輪に、2014年10月に設立された研修ビジネスのベンチャー企業。コンサルティング部門は東京本社を拠点に東京、大阪、名古屋などの都市部を中心に全国展開する一方、研修部門では人材育成プロジェクトとして「会員制」による研修メニューを構築し、地方でのシェア拡大を図っている。

「一般的に研修は、参加者を都度、募集しています。そうすると集客コストが大きくかかり、その集客コストをお客様側の価格に入れることで一回当たりの受講費用は高くなります。一方で当社の人材育成プロジェクトは会員制。開催のたびにコストをかけて集客しなくても、お客様側が勝手に申し込んでくれます。こうして集客コストを減らすことで、低価格での提供を可能にしています。地方にある中堅・中小企業の負担を減らすことで、人材教育の機会を確保してもらいたいのです」と、加賀隼人代表取締役社長は語る。「地方を元気にしたい」「中堅・中小企業の役に立ちたい」という加賀氏の思いから設立された同社では、あえて地方での活用を選んだ。

現在は四国を中心に展開。高知県の拠点設立を皮切りに、この3年間で香川県、愛媛県とエリアを拡大。今後2年間で、300社の顧客獲得を視野に新規開拓営業を行っている。

経験を生かして地元で喜ばれる仕事がしたい

坂田氏の前職は、代表の加賀氏と同じ東京に本社を置く研修ビジネス大手。坂田氏が退職を決意する1年ほど前に起業していた加賀氏から誘われたのが入社のきっかけのひとつだった。「私が退職を意識した同じころ、偶然にもあこがれていた先輩方が次々と転職、独立していったのです」と坂田氏。目標を見失っていた坂田氏に、声をかけたのは加賀氏だった。

地元の佐賀県に戻って、それまでとはまったく違う業界に就職しようとしていた坂田氏に「これまでの経験のなかで培ってきた知識やノウハウを、佐賀県ではないけれど、同じ地方の四国で一緒に生かしてみないか」と加賀氏が声をかけた。「いつか地元に帰って仕事をしたいと思っていました。けれど、どうすれば地元の役に立てるのか、まだ分からないでいたのです。そんなとき、すでに独立、高知市で起業していた加賀から誘いがあり、前職での経験を生かすことで、地方の中小企業を元気にできるかもしれないと知って、合流を決意しました」

最初の1年は加賀氏のふるさとである高知県で新規開拓を進め、2016年4月からは香川県をフィールドに営業とセミナー講師を行っている。

中堅・中小企業を思う強い気持ちがあれば

「『地方と都市部の情報格差・教育格差をなくしたい』という思いから、当社を設立。人材の育成こそが地方企業の成長に欠かせないという確信がありました。しかし地方の中堅・中小企業が人材育成のための研修機会を設けられないのには理由があったのです」と加賀氏。それは「費用が高いこと」「時間の余裕がないこと」「効果が期待できないこと」の3つ。地方の企業にとって長らく続いてきた悩ましい課題だが、「それは私たち研修業界が、お客様のニーズを放置していたのだと思います」と語る。

そこで取り組んだのが、人材育成プロジェクト。まず前職で携わって知識があった会員制による運営で1回あたりの単価を引き下げた。次に、通常は半日から1日を費やす長い研修時間を1回2時間に短縮。加えて無駄な移動時間にも目を向けた。「年間250回以上の講座を開催していますが、新人・若手・中堅社員から管理職まで約40種類あるセミナーテーマは高知県、香川県、愛媛県すべての県で同様の内容。そのため、わざわざ受講するために遠方へ移動する必要がなく、無駄な移動時間をかけないで同じ研修を受けてもらうことができるのです」。そして3つ目の課題である「効果」については、研修後のフォローを続けていく体制の整備で応えた。

これらの体制を提供し続けるためには、講師の存在がカギになる。「彼は前職で講師を経験しており、起業したばかりの当社では、即戦力として頼りになる人材だと思いました」と加賀氏。加賀氏の予測通り、年間で250回以上開催している講座において、坂田氏は講師として存在感を発揮しているが、それだけではなく、顧客の新規開拓を担う営業としても活躍している。