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Experience

店舗内装の経験を生かし、エンドユーザーまで意識した一歩踏み込んだ提案を行う。
チームメンバーから会社全体まで、視野が広がる

株式会社エス・ビルド大阪本社営業部次長佐藤泰司

大学では建築を学び、店舗内装工事の会社に就職した佐藤泰司氏。営業として依頼主と発注先との調整をするだけでなく、現場管理として実際に現場にも立ちながら、ハードに働く日々を送っていた。仕事は好きだったが、結婚を機にこれまでの生活を見直すことに。それまでの経験を生かそうと同業界での転職を検討するようになる。現在はオフィス内装工事を手がける株式会社エス・ビルドに10年籍を置き、営業の主軸として活躍。採用や部下の育成にも力を注ぐ。佐藤氏がこの10年で得たもの、気づき、現在の心境に迫る。

オフィスの内装に特化するプロ集団

株式会社エス・ビルドは、2003年の創業以来14期連続増収を続ける、オフィスの内装工事を手がける企業だ。年商16億2,500万円(2017年6月時点)を社員わずか50名ほどで生み出すというのだから、経営手腕は言わずもがな、さらに優秀な人材もそろっているといえよう。

好調を続けている同社だが、ターニングポイントは佐藤氏が入社した10年前の採用だったと、澤口貫一代表取締役は振り返る。当時7名だったスタッフを倍に増員すべく採用を行う、大きな勝負だった。「それ以降、積極的にどんどん採用しています。創業10周年の時は28名だったスタッフが約5年で倍近くになりました」。人が増えれば増えるほど、目標をきちんと設定して、そこに向かってみんなでがんばる。有言実行することが増収につながっているという。

増収の要因はそれだけではない。同社はオフィスの内装工事を手がけているが、設計は自社で行わず施工に特化している。「設計は外部にお願いして人員を抱えず、施工に従事しています。工期も短いので年間2,000件もこなせるのです」

佐藤氏のように営業、現場管理をこなし、多くの知識を持ってアドバイスやコミュニケーションができる人物の活躍が同社を支えている。佐藤氏はエス・ビルドの大阪本社営業部の次長。大阪本社の中核人物として、営業チームを束ねている。

結婚を機に転職活動に向き合う

大学卒業後、店舗の内装工事を手がける会社に入社し、現場管理者としての道を歩み始めた佐藤氏。「大学では建築を学んでおり、卒業後は設計がしたかったのですが、当時は募集が少なかったようです。最終的に、設計を専門にする会社ではなく、内装工事の会社を選びました。お店の内装に関わることも楽しそうだったし、就職活動をしているときは、内装と建築との垣根はあまりないと思っていました」

佐藤氏は当時を振り返る。「仕事は楽しかったし、職場の雰囲気もよかった。一日中働くこともありましたが、そういうものだと思っていました」。就職して最初の仕事は先輩の現場の手伝いで、大阪の自宅と京都の現場を行き来することもあったという。「依頼主の会社の要望に合わせ、必要に応じて、金物が必要だったら金物屋さん、ガラスだったらガラス屋さんと打ち合わせをし、必要なものを手配していました。現場管理という立場だったので、現場に足を運ぶこともありました」。職場には佐藤氏と同い年の同僚もおり、居心地のよい環境で日々業務に打ち込んでいた。

一方で、案件によって不規則に業務時間が延びることもあった。そのため、漠然と将来に不安をおぼえ、佐藤氏は入社3年を過ぎたころから転職サイトを見るようになった。その後入社4年目に結婚。家族を養うこれからの生活を考え、自分の時間を取りづらいことや給与など、このまま今の会社で働く生活が気になったと振り返る。「今思えば、結婚で環境が変わったことが転職へ踏み切るきっかけだったのかもしれません」

業界自体や職務内容は好きだっため、自分の経験を生かすことのできる同業界の転職を考えていた佐藤氏。転職サイトを閲覧するも、実際に応募をすることはなかったなかで、偶然見つけたのがエス・ビルドの求人だったという。店舗の内装工事ではなく、オフィスの内装工事だったが、似たような業界で、条件も悪くない。突き動かされるように求人掲載終了日に滑り込みで応募し、見事採用されることとなった。「あとで聞いたら実は定員オーバーだったみたいで。私は店舗の内装工事をしていた経験者だったので、面接してもらえたそうです」。それまでの経験とタイミングが功を奏し、佐藤氏はエス・ビルドに入社することとなった。

10年前の採用が過去最高の経営判断

佐藤氏を採用したときが、会社にとって大きなターニングポイントだったと語るのは代表取締役の澤口氏。人員を増やして仕事や会社の幅を広げたいと思っていた時期だった。「40年、50年続いている他の会社と張り合うなんて、当時28歳の私には無理でした。とにかく知識が必要だったので、内装工事の業界に身を置き、営業の経験がある佐藤を採用したのです」

佐藤氏は同業界で働き営業の経験もあったため、仕入れ業者も引っ張ってこられる。「彼が来てくれたら、エス・ビルドに厚みが増すと確信していました」。この時に入社した6名のうち、佐藤氏ともう1名が10年たった現在も在籍。佐藤氏は大阪本社でナンバー2のポジションとして活躍し、もう1名は東京支社長を務めている。

「佐藤に限らず、あの時思い切って6名という人数を採っていなかったら、今のエス・ビルドはなかったでしょうね。それぐらい、今までで一番よい経営判断でした」。そう言わしめるほどの「人財」と巡り合えたのだ。

その後も澤口氏の積極採用は続く。リーマン・ショック後、建築業界が打撃を受けていたころ、あえて東京支社を設け求人を出し、いい人材を確保することに成功。大阪で取引をしていた会社の多くが東京に本社を置いていたこともあり、立ち上げ1年で2億円を売り上げた。