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税務会計の枠を超え、
顧客企業への経営支援で地域経済の活性化を目指す

みそら税理士法人公認会計士・税理士廣岡隆成

一般的な税務会計の枠を超え、顧客企業の経営支援や資金調達支援に力を注ぐ、みそら税理士法人。兵庫県姫路市に拠点を構える会計事務所だ。そこに転職したのが公認会計士・税理士の廣岡隆成氏。大学卒業後に生まれ育った姫路を離れ、東京で監査法人、外資系コンサルティングファーム、企業再生支援組織で経験を積み、そのノウハウを持ち帰ってきた。転職して約4年。地域の会計業界に新風を吹き込み、さらには兵庫県の経済活性化に貢献したいと目標を掲げる。その活躍ぶりに注目する。

過去会計から未来会計へ

一般的に会計事務所の業務は税務・会計処理・決算など企業の業績を追う「過去会計」の色合いが強い。それに対し、将来の業績がどうしたらよくなるのか、経営者の意思決定を会計的な側面から支援するのが「未来会計」といわれる。みそら税理士法人はこの未来会計に力を入れている。

同法人が開業して約29年(前身の名称は廣岡会計事務所)。長く地域企業の会計をサポートしてきたが、一時は売り上げが停滞、事務所存続のために業務内容の見直しを迫られた時期があるという。そこで未来会計を導入した。資金調達支援などを通じ、経営者が将来の数字をつくるためにどう行動するのかを共に考えていこうというものだ。

その取り組みを始めたのが廣岡氏だ。廣岡氏は同法人所長の息子であり、東京で培ったビジネス、財務、金融調整の経験を生かして業務を拡大。その成果が地域に浸透したこともあり、同法人には多くの相談が持ち込まれる。また、黒字企業の割合が全国平均で約40%といわれる中、同法人の顧客は約80%が黒字決算となっている。

東京での実績を生かし、再生、M&A、資金調達支援をスタート

廣岡氏は公認会計士・税理士。大学卒業後は東京の大手監査法人に就職し、大手企業の新規上場支援に携わった。その後、「監査はどうしても数字ばかりを見る仕事になる。数字はビジネスの出口。次はビジネスの入り口を見たかった」と外資系コンサルティングファームへ転職。さらにその後は企業再生支援組織で経営難に陥った企業の立て直しに関わった。

そんな廣岡氏が約10年の東京勤務を経て、父の事務所で働くことを決意する。「ずっと東京にいようと思っていましたが、父も当時60代後半、事務所で働く人たちの人生もある。姫路に帰ってこの事務所をもう一度盛り上げようという気持ちになったんです」と振り返る。それまで一度も「帰ってこい」と言わなかった父が「そろそろどうだ」と言ってきたことも廣岡氏の背中を押したという。

入社後は会計士として地元企業の再生、M&A(合併・買収)、資金調達を支援している。企業再生では顧客企業の借入金について金融機関と調整し、M&Aでは依頼に応じて売り手側、買い手側、または双方のアドバイザーとなる。そして資金調達では金融機関からの融資面で顧客企業をサポートする。これらはすべて廣岡氏が始めたサービスだ。

廣岡氏のUターンを機に、事務所の規模も拡大。
東京で得た知見があったからこそ

「都市部では経営支援という業務が確立されていますが、姫路のような地方都市では会計事務所の役割はまだ過去会計にとどまっています」。そう語るのは同法人のパートナー税理士である高橋保男氏だ。「そんな地域性の姫路に未来会計の概念を導入した廣岡氏の功績は大きいです」。業務を拡大できたのは廣岡氏が東京で身につけたノウハウがあったからこそと高橋氏は話す。

特に資金調達支援が強化された点を強調する。「会社経営においては資金が途絶えたら終わりですから、資金調達は最重要課題なんです。そして資金調達は金融機関との関係強化。経営支援のなかでもその部分をサポートする会計事務所は姫路では希少です」と他法人との違いを述べる。

2018年7月、同法人は前身の廣岡会計事務所から「みそら税理士法人」に名を改め法人化した。同時に神戸支店も開設している。7名だったスタッフ数もこの4年間で22名に増えた。「事務所が大きくなるタイミングで入ってきてくれた廣岡は、新しい風も吹き込んでくれました。それまで事務所にはなかったノウハウや視点をわれわれの仕事に加えてくれています。これほど強いことはありません」と仕事ぶりを高く評価している。

今後はさらに規模を拡大し、東京での拠点展開も視野に入れている。「廣岡は会計事務所という枠にとらわれない感覚やセンスを持ち合わせています。これから法人が発展するにつれて、さらに彼の専門性を発揮してくれると思います」と期待を寄せる。