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Experience

静岡県内トップクラスの建設総合コンサルタントで
自分の住む街の未来へ、貢献し続ける

株式会社フジヤマ測量調査部 補償調査課藤田

国や自治体をメインに測量・調査・設計から地理情報処理、コンサルティングまで一貫したサービスを展開する株式会社フジヤマ。1967年に測量業として創業して以来、実績と信頼を築き上げ、今では社会資本整備に関わる建設総合コンサルタントとして、名実ともに静岡県内トップクラスを走っている。事業内容は「コンサルタント部門」「測量・調査部門」「地理情報部門」の3部門で構成され、各部門の業務は多岐にわたる。それぞれに専門の技術者がいることで、オールラウンドにあらゆるニーズに対応できるのがフジヤマの最大の強みだが、業績やシェア率よりも大切にしているのは「仕事へのやりがい」だ。そのために、より円滑に仕事が進められるよう社内制度の改革を促進し、近年は人材育成、技術継承にも注力。県内だけではなく東京や名古屋を重点エリアとして、事業規模、業務領域の拡大を図る。その一方、他社がまだ手をつけていない新規事業の開拓も手を緩めない。社員数約300名、売上高50億円を超える今、さらなる進化、高みを目指すフジヤマは、熱意ある人材の増員を推し進めるなか、藤田雅氏を測量調査部期待の新人として迎え入れた。

補償コンサルタントの業務から
見つけ出した新たな目標

「人材が不足している」という声は各業界で耳にするが、土木建設業界も例外ではない。土木系への進学率も減少傾向にあるというが、そんな時流はどこ吹く風といわんばかりに、静岡県浜松市を拠点としているフジヤマへの入社希望者は増加の一途だ。それも、女性の割合も高まってきているという。

そんななか、藤田氏は2018年5月にフジヤマに転職した。配属先は測量調査部の補償調査課。測量調査部では、各種計画や設計における基礎データ(現地の地形や境界点、補償対象物件などの状況)を、詳細かつ高精度に収集し、把握するための測量調査や補償調査を行っている。調査業務は多種多様で、藤田氏は補償コンサルタント業務補佐として、移転(補償)物件や機械工作物・営業補償調査などの補償額算定業務を担当している。

「今は仕事を覚えて、的確にこなすことで精いっぱい。ですが、転職したことで新たな目標ができて、それが仕事のやりがいにつながっています」と穏やかに語る。藤田氏の新たな目標──。それは、補償業務管理士の資格を取ることだ。

「入社して補償コンサルタントの重要性を知った」と言う藤田氏。公共事業を施行する際に、国や自治体は所有者や借家人など、その土地に関わる人に正当な損失補償をしなければならないが、これらの補償額算定をはじめ、関連業務を国や自治体などから受注したり、請け負ったりするのが補償コンサルタントだ。

補償業務管理士は、補償コンサルタントとして国土交通大臣登録を受けるのに必要な補償業務管理責任者として就任するための要件となる資格で、取得には実務経験4年以上を必要とし、検定試験もかなりの難関だというが、「だからこそ取得したい」と藤田氏は目を輝かせる。

Uターンで心機一転、
転職して未経験の領域へ飛び込む

静岡県出身の藤田氏は、大学進学を機に上京して千葉大学工学部建築学科に入学。建築物を新築するよりも既存の建物の修復や改修に興味をもち、卒業後は都内にあるマンションやビルの修繕工事の専門会社に就職した。

「マンションの修繕管理業務を担当していました。事務仕事だけではなく、実際に担当するマンションに赴いて、外壁のヒビの有無や老朽化が進んでいる箇所を調査するなど、現場で仕事をすることが多く、それはそれで充実していました」と振り返る。

希望の職種に就き、仕事内容にも満足していたという藤田氏。だが、在籍して4年、5年とたつうちに、会社の業績不振、経営方針や組織の度重なる変更に、漠然と不安をもつようになる。

同時に、自分の遠い未来を見据えた時に、親の介護のことが脳裏をよぎった。「このまま東京で年を重ね、生活基盤を固めてしまうと、地元に戻るのが大変になる」と、Uターンを考えるようになったという。そして転職サイトに登録し、人材紹介会社から電話を受けたことで、転職する覚悟を決めた。

「登録して1カ月もたたないうちに連絡があり、予想以上の早さで転職に向けた具体的な動きが始まったことで、意識が高まりました」。人材紹介会社から数社を紹介されたなかで、「話をもっと聞いてみたい」と興味をもったのがフジヤマだった。だが、同じ建設業界とはいえ、「補償コンサルタント」は藤田氏にとって未知の職種だった。

社会インフラの再構築、維持管理に高まるニーズ。
対応できる人材育成を強化したい

「実家から通勤できる地元企業」。それが藤田氏の転職条件だった。前職と同じ建設関係であることは問わなかった。実際、フジヤマは同じ建設業界といえども、業態はまるで違う。「知らないからこそ逆にやってみよう」。そう思い、入社後に「こうじゃなかった」と後悔しないように、面接では、わからないことはすべて聞き、自分の意見もストレートに伝えるように努めたという。

フジヤマが藤田氏を採用した背景について、取締役社長室長の藤山直也氏はこう語る。「浜松市の道路台帳の作成や都市計画における道路や公園、トンネルや橋などの設計・計画、社会インフラの維持管理など、業務は多岐にわたります。そのなかで、2012年12月に山梨県大月市笹子町の中央自動車道笹子トンネルで天井板が落下した事故が、建設コンサルタント業界の流れを一気に変えました。社会インフラの拡大ではなく、再構築、維持管理にニーズが高まっていったのです」

新しいものを生み出し、未来のまちづくりをけん引していくのが建設総合コンサルタントの本業ともいえるが、一方で維持管理や損失時の補償対応などの分野を強化することが求められていったのだ。

「どんな事業を進めるうえでも、重要な役割をもつのが補償コンサルタントです。特に、公共事業計画内にある土地を所有している方に、どうご理解いただくか。補償コンサルタントの対応が鍵になるといえます」(藤山氏)

だが、補償コンサルタントは業界全体において圧倒的に不足している。「大学でも補償調査をあまり教えていないようで、新卒入社の社員にゼロから教えるには時間がかかります。藤田は、業態は違っても不動産や建築の知識があり、事務だけではなく現場経験も積んでいます。弊社では、相手の気持ちをくみ取り、きめ細やかな対応が求められる補償コンサルタントは、女性がもっと活躍できる分野と捉えており、面接時にハキハキと答える藤田の姿から、その可能性を大いに感じました」と語る。