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出張続きの毎日から
地域に密着し、岡崎の地で家族と向き合う働き方へ

株式会社フジケン戸建分譲営業3課中神喜一

「自分は根っからの営業マンなんです」と語る中神喜一氏は、よく響く声とコロコロと変化する表情で、初対面の相手も引き込む不思議な魅力を持った人物だ。前職では日用雑貨の営業として、スーパーなどで実演販売をしながら全国を転々とする生活を送っていた。2014年、実家を二世帯住宅にする計画が持ち上がったことをきっかけに、地元の愛知県豊橋市にUターン。同時に、通勤時間30分ほどの岡崎市の株式会社フジケンに転職し、分譲住宅の営業担当として勤務している。転職して約3年が経過した中神氏に、現在の仕事や生活ぶりなどを伺った。

地域に密着し、世代を超えて人々の生活を支える仕事

株式会社フジケンは、1970年創業、建築業から始まり、分譲戸建住宅、分譲マンションの企画・施工・販売、マンション管理事業やホテル事業、介護福祉事業、スポーツクラブの運営など「街づくりから始まる家づくり」をテーマに、45年以上にわたり人々の暮らしをさまざまな形で支えてきた。人々の生活する地域を総合的に開発する、「総合生活デベロッパー」として安定的な成長を続け、愛知県岡崎市を中心とする西三河、名古屋、岐阜エリアにおいてトップクラスの実績を持つ。幅広い事業領域のなかでも、住宅関連事業は、1万5,000戸以上の実績を通じて県内で高い知名度を誇るため、優良な土地を仕入れやすく、広大な用地を一括で仕入れることで大規模な宅地開発も手がけている。また、安心・快適に長く住むことができる、長期優良住宅・耐震等級3・省エネ等級4などを標準仕様とした、地域に選ばれる住宅づくりを展開。今後は、経済産業省も支援している快適なネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の提案にも積極的に取り組む方針だ。

中神氏は、戸建分譲営業3課に所属。家づくりの資料などを取りそろえた、岡崎市内のハウジングサロンを拠点に分譲住宅の営業活動を行っている。岡崎市を含む愛知県東部の三河エリアは戸建て志向が強い。隣接する豊田市、安城市、少し離れた刈谷市のベッドタウンとして人口増加傾向にある影響もあり、同エリアで圧倒的なシェアを誇っている同社の受注数も増加している。

人生の転機で出会った地域優良企業

「前職では、常に出張しているような状態で、全国を飛び回っていました」。中神氏の前職は、仮設店舗を構えて実演販売を行う営業だった。1つの地域に約2カ月間という期間限定で店舗を構え、九州、東海、関東などを中心に次から次へと転々とする生活を送る。結婚して、子どもが生まれても勤務スタイルは変わらず、家族と過ごす時間はほとんど持てなかったという。

そんな中神氏が出身地の愛知県豊橋市に戻ったのは、実演販売の営業として働き始めて10年が経過した2014年のことだった。「営業マンとして別のフィールドでも勝負してみたいという気持ちがありました」。両親が二世帯住宅建設用に土地を購入、自身の子どもの小学校進学などさまざまなタイミングが重なったため、二世帯住宅完成前にUターンを決めた。

新天地で中神氏が選んだフィールドは住宅販売。より大きな商品を扱いたいという興味に加え、自身が二世帯住宅建設を検討する過程で、自動車産業などの製造業が集まる三河地域における住宅の需要に高い可能性を感じたためだ。住宅販売の営業に絞った中神氏は、実家のある豊橋市を中心に通勤圏内の地域をリサーチ。豊橋市から電車で20分程離れた岡崎市に注目した。「実は、岡崎市の高校に通っていたのです。久々に岡崎市を訪れたとき、駅前が開発され街中もスーパーなどが増えていて街に勢いを感じました」。JRと私鉄が交差し、東名高速のインターチェンジがあるなど交通の便が良く、実際に人口も増えていることなどを確認し、「住宅を販売するなら岡崎市だなと思いました」。

地域密着の業務だからこそ、他地域での経験がメリットになる

「当社は圧倒的に地元出身の社員が多いですね」と語るのは代表取締役社長、牧久氏だ。地元出身者は、地域の歴史や住民の動向などの情報を把握しているため、住宅販売という事業内容との親和性が高く、会社にとってメリットが大きいといわれることもある。しかし同社の採用対象は地元出身者だけに絞っていないという。

「当社の仕事においては、転職者は、前職で培った経験値もさることながら、その人物が生まれ育った場所との違いもメリットになる」と牧氏は考えている。同社のメインフィールドである三河地域を地元の出身者とは違った目で観察し、他の地域と比較することで、地元で生まれ育つとあたりまえすぎて気づけない部分に着眼できる。例えば、教育水準の高さや、交通アクセスの良さなどの地域の特性を見出し、お客様にアピールできる。だからこそ、同社では地元出身者にこだわらず幅広い地域から転職者を受け入れる方針をとっている。そして「他地域からの中途採用者という、会社にとっての異分子として、自分たちにはない視点を生かしてほしい」と期待を寄せる。

前職で各地を転々としながら営業活動をした経験のある中神氏は、その異分子としての役割を期待されての採用だ。そんな中神氏は、入社後すぐに、業界未経験にもかかわらず住宅販売の営業活動で結果を残し、地元出身の新卒者の後輩を積極的に指導するなど、その期待に応える働きを見せている。