地方から未来の働き方を探すウェブメディア

Experience

最新技術を巧みに扱う企業の一員として、
研究開発という仕事を究めていきたい

株式会社アテクトPIM事業推進部 研究員西田康大

最先端の技術を武器に、新ビジネスをグローバルに展開する株式会社アテクト。同社には、会社の柱となる3つの事業がある。まず、「衛生検査器材事業」では、ディスポーザブル検査器具の製造・開発・販売および検査指導などの技術支援、「半導体資材事業」では、液晶ディスプレー等の部品であるフィルム基板の製造・搬送工程に用いるスペーサーテープ(世界シェア70%)の製造・販売、さらに「PIM事業」では、金属やセラミックなどの微粉末と有機バインダーの混合物を射出成形する製法の技術開発研究を行っており、25年に及ぶ射出成形と金型製作の技術をベースに、ポリマー微粒子の開発・製造ノウハウを組み合わせ、バインダーや3次元複雑形状製品などを提供している。大学院の理工学研究科で金属粉末の研究をし、卒業後は大手金属メーカーの神奈川県内の工場で3年間、研究開発の仕事をしたのち、同社に転職した西田康大氏に、現在の業務や滋賀県での新たな暮らしについて伺った。

人や暮らしに身近な存在の金属。
社会に役立つ金属素材の開発を目指したい

現在、PIM事業推進部で研究員として勤務する西田氏は、主に材料に使用する金属粉末の研究・開発を行っている。PIMとは、Powder Injection Molding(粉末射出成形)の略。西田氏は主に、自動車の耐熱金属部品に使う金属粉末やセラミック粉末の開発を行っている。たとえば、ターボチャージャーに使われる金属部品の耐熱温度を上げたり、熱伝導率や強度を向上させたりするなど、より精度の高い材料をつくっていくための研究が主な仕事である。西田氏は入社してまだ数カ月だが、いくつかのプロジェクトを担当しながら、立命館大学との産学協同のプロジェクトにも参画している。「今はまだ会社に慣れていくことが先行していますが、学生時代から専門とし、自分の好きな金属系の研究に従事できるので、やりがいを感じています」

西田氏は金属のことを、身のまわりにあふれている身近な素材だから面白いと語る。車しかり、建築物などの構造物しかり、われわれの暮らしに実は、金属という素材は欠かせない。そういう人や社会に役立つものづくりをしているということに、非常にやりがいを感じるという。

やりたい研究テーマが最優先。
強い意思と明確な目標が採用の決め手に

西田氏は大阪府の出身。大学も大学院も関西で、就職の際に東京に出た。3年間、神奈川県の平塚で勤務し、そこで暮らしていたが、研究テーマとしてどうしても自分でやりたいことがあり、転職することを決めたという。「前職は金属材料が主体でしたが、扱う種類が限られていました。もっと多くの材料を扱える仕事をしたいと考えていました」。金属系の材料の研究開発ができる企業を探すなかで、株式会社アテクトのことを知った西田氏。金属系の研究開発者を募集していることを知り、即座に応募を決めたという。

募集をしていた会社がたまたま滋賀県にあっただけで、特に関西へのUターン転職を希望していたわけではなかったという西田氏。研究開発者として、まずは、テーマありき。自分の研究したいテーマを扱えるのであれば勤務地にはこだわらず、どこにでも行くつもりだったそうだ。「このテーマでこんな研究をしたい」という西田氏の強い、そして明確な目標がしっかりと会社側にも伝わって、採用を勝ち取ったといえるだろう。

地道な研究に不可欠なのは高い目的意識。
それが、開発成功のための重要な資質となる

西田氏の直属の上司であるPIM事業推進部マネージャーの福島良高氏は、初めて西田氏に会ったときの印象を鮮明に覚えているという。それまで会った誰よりも、西田氏は明確な目的意識を持っていた。福島氏がこれまでに面接をした転職希望者のなかには、現状への不満や、理想と現実のギャップに悩む人も多かったが、西田氏はまったく雰囲気が違うと感じたのだ。「西田は、こういう目的を持っていて、こういう研究をしたいというクリアな意思をしっかりと表明してくれたので、その一言でほぼ、採用を決めたといってもいいかもしれません」

自分がやりたいと考える、絞り込んだテーマを持っていること。それは研究開発の仕事に重要な意味を持つという。一つのテーマについて、長いときは10年以上、地道な研究が続くこともある。時に失敗もあるし、やり直しが必要なこともある。そんなときにモチベーションをいかに持ち続けるか。そのためには、高い目標意識が必要だという。自分で仕事を組み立て、創意工夫し、コツコツと仕事を重ねていく。その姿勢に周囲も引っ張られ、良いものを生み出すことができるのだと、福島氏は考える。「西田には最終的に、皆を引っ張っていけるような求心力のある研究開発者になってほしいと期待しています」