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100年愛される食品メーカーが
「ふりかけ」文化を世界に広める

田中食品株式会社

1916年の発売以降、100年以上も愛され続けているふりかけ「旅行の友」を手がける田中食品株式会社。1975年には日本で初めて個包装ふりかけ「ミニパックシリーズ」を開発し、1989年には株式会社サンリオの人気キャラクターを使った商品を独占販売。1週間で約30億円もの受注を記録して海外へと市場を広げるきっかけをつくった。時代のニーズに合わせ常時200種以上ものふりかけをつくる同社の、アイデアの源と今後のビジョンに迫る。

アイデア勝負で高シェアを獲得

ごはんのお供といえば、漬物、梅干し、つくだ煮、そしてふりかけだ。市場規模が年間400億円ともいわれる日本独自の食文化、ふりかけを製造・販売する会社が広島県広島市にある。1901年に創業した老舗、田中食品だ。

第一次世界大戦中に、軍の要請で兵士の栄養補給用保存食の開発に乗り出す。1916年に地元のイリコやあおさを使ったふりかけ「旅行の友」を発売。その後100年以上、日本の食卓を彩ることになるロングセラー商品を主軸に、鰹や鮭、卵、めんたいこなどの食材を用いたバラエティー豊かなふりかけを次々と製品化してきた。

競合他社としのぎを削るなか、転機が訪れる。1975年、日本初の携帯用ふりかけを開発したのだ。当時は瓶や缶に入れて売るのが当たり前だったふりかけを一食分ずつ小分けにして包装した「ミニパックシリーズ」は、弁当や給食での需要が高く、生産が追い付かないほどの反響を呼ぶ。

さらに、映画やアニメのキャラクターとも積極的にコラボレートしていく。1989年にはサンリオとライセンス契約を結び、人気キャラクター「ハローキティ」や「けろけろけろっぴ」などのイラストを入れたふりかけを販売。1週間での注文が約30億円という驚異の数字をはじき出した。

そのブレイクをきっかけに、1990年代には海外でハローキティなどサンリオグッズが販売されていた国すべてで、ふりかけの商品展開が実現する。ふりかけは日本ならではの文化だが、世界各国の文化や習慣に根付いたアイテムを開発すれば市場開拓の余地があるとにらんでいる。

今後は海外向け商品の開発・展開を軸に、時代のニーズに合った健康志向のふりかけ、加工食品の開発も手がけるという。「今ある事業を大切に守ることは使命の半分。もう半分の使命は常に挑戦し続けること」と、すでに日本の食卓を豊かにするための次の一手「時短食品の開発」を見据えている。