地方から未来の働き方を探すウェブメディア

EXECUTIVE

ビジネス力を高め、IT業界で一番輝く企業を目指す

株式会社シリウス1代表取締役社長竹田邦雄

自分のやりたいことができる会社

広島県広島市で生まれ育った竹田氏は、地元の大学を卒業後、外資系コンピューター会社の日本NCR株式会社に就職し、上京。その後は、転職を繰り返しながらステップアップし、大手の外資系IT企業の重要なポストを数多く歴任するなど、長くIT業界の第一線で活躍してきた。そして自身の母親の介護などがあり、帰郷のタイミングをうかがっていた4年前、広島の知人から「経営を継ぐ人材を探している、いい会社がある」と紹介されたのが、シリウス1だった。

早速、当時の社長(現会長)の下村洋伸氏やスタッフと会い直接話を聞いたところ、「普通のソフト会社とは違っている」という印象を受けたという。製造業のためのソフトの開発と聞いてイメージしたのは、財務・会計、販売管理、生産管理といった業務系ソフトだったが、同社が注力していたのは、自動車やコピー機など製造業における現場のさまざまなモノから送られてくるデータを収集してビッグデータにし、分析するというデータビジネスの開発だった。いまでこそ、それらの業務はIoTと呼ばれ、さまざまな業種の企業が導入しているが、同社では時代に先駆けて取り組んでいたのだ。「時代にマッチしているし、企業として非常に高い技術力を持っていました。自分がやりたかったことができそうだと思って入社することに決めました」。同社は竹田氏を迎え、第2創業期として新たなビジネスに乗り出した。

第2創業期はTableauビジネスに大きくかじを切る

竹田氏の就任時は、メーカーからのコストダウン要求などによって、特にSE派遣の業績が低迷していた。その状況に対し、竹田氏は以前から注目していたTableauビジネスにフォーカスし、派遣型ビジネスモデルから思い切って脱却することを決断した。竹田氏がTableauに固執した理由は2つある。まず、1つは、Tableauはすでに世界で多くのユーザーに支持されており、今後の市場の拡大が見込めると感じたこと。もう1つは、その製品を見たときにこれからは要求に合わせてプログラムで作る時代ではなく、良いツールを使う時代だと感じたことだ。

竹田氏はすぐに社内の有望なエンジニアを一人ずつTableauの勉強をさせて分析のノウハウを順番に身につけさせた。たとえビッグデータがあっても、それを分析できる能力がなければ、ただの宝の持ち腐れになってしまう。データを収集して、それをどう分析し、いかに効率良く仕事にフィードバックするか、そこまで一括してコンサルテーションできれば、今後の大きな強みになると竹田氏はにらんでいたのだ。

第2創業期の初年度は赤字からのスタートだったが、3年目で利益を出すことができた。4年間で同社の業績を好転させたのは、Tableauの存在が大きい。2015年には、Tableauのソフトウェア専門の導入支援会社として、Tableauに関するすべての営業窓口とライセンスの販売を行う株式会社シリウス・データサイエンスを東京に設立させた。

変わらない技術で企業競争力の向上に貢献したい

「ITの世界の変化は目まぐるしく、いまこの瞬間も変わり続けています」と竹田氏は言う。例えばプログラミング言語一つとっても、次々に新しいものが世に出ている。そのなかで、自社が存続していくにはどうしたらいいか、変化の大きいこの業界の中で変わらないものは何か竹田氏が考えたときに思い当たったのが、財務や販売、購買、人事、生産管理といった基幹業務やその中から取得するデータ分析の重要性だった。企業の基幹の一部を任せてもらえる会社になり、顧客の企業競争力の向上に貢献したいと竹田氏は考えている。

そのために、人材育成にも力を入れている。Tableauでのデータ分析を中心として、「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニア力」、この3つの力を身につけた人材が理想だ。「ITのことだけわかっていてもだめ。この会社にとって、こういうデータを集めて、こういう分析をしたらもっと会社がよくなるのではないかと考えるのがビジネス力。つまり経営者と同じ考え方になれるのです」と竹田氏。いまでは社員がさまざまな企業に赴いてプロモーションできるほどに、個々が力をつけてきている。同社にとって、ここからがまさに成長路線だ。

現在、Tableauのパートナーに大手のIT企業が連なっている。しかしシリウス1は、国内でも他社に先駆けてTableauビジネスに取り組んできた。竹田氏は「これからも常に先を見据え、企業がいかに少ない投資で伸びていけるかということに協力していきたいですね」と意気込んでいる。