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停滞する写真業界において、わずか10年間で売上5倍。
茨城から見据えるのは、世界のマーケット

株式会社小野写真館

茨城県で事業を展開する株式会社小野写真館。2016年に創業40周年を迎える老舗写真館は、淘汰の波が急激に押し寄せる業界の流れにあらがうように、ここ10年間で売上を5倍に急伸。首都圏への出店も決まり、数年後には東南アジアへの進出も視野に入れているという。発展を続ける小野写真館の成長の軌跡を追った。

赤字経営からの急成長。「特別なことは何もしていない」

町から写真館が消えている。デジカメの普及、カメラ機能付き携帯電話の台頭。誰でも簡単に高画質の写真を撮れる時代がやってきたことで、写真はかつてないほどに身近な存在となった。しかし、時代の変化は皮肉にも町の写真館の存在価値を奪い去り、ここ十数年で全国の写真館の数は激減している。そんな苦境にあえぐ業界に反比例するように売上を急伸させている企業がある。茨城県ひたちなか市に本社を構える株式会社小野写真館だ。

県の中央部に位置する太平洋に面したひたちなか市は、日立製作所の企業城下町として発展した工業都市だった。人口は水戸市、つくば市、日立市に次いで県下4位を誇る。市の中心であるJR勝田駅から車で5分ほど走ると瀟洒な建物が現れる。ブライダル施設「アンシャンテ」。小野写真館が県内に手がける15ある施設の一つだ。

小野写真館は1976年に創業し、約30年間、多店舗展開もせずに町の写真館として営業してきた。しかし、経営は徐々に下降線をたどり、ついには赤字へと陥ってしまう。転機は2006年。現代表取締役の小野哲人氏が父の跡を継ぎ経営に乗り出すと、フォトスタジオ事業を柱にブライダル事業、成人振袖事業と、次々に事業を拡大。そして、わずか10年で売上5倍の成長を遂げる。この「アンシャンテ」は小野氏が入社して最初に手がけた施設だが、成長の要因を尋ねても「何か特別なことをやっているわけではない」と、小野氏は語る。