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One on Oneでよりよいサービスを目指す

株式会社MonotaRO取締役兼代表執行役社長鈴木雅哉

逆風に負けずイチから立ち上げ

住友商事入社3年目で住商グレンジャー(現・モノタロウ)の立ち上げプロジェクトに参加した鈴木雅哉氏。2000年10月から同社に出向し、eコマースのデータベースを作るために奔走した。

「最初にしたことは、学生のアルバイトをはじめ、何十人もの人を使って3,000ページに及ぶ商品カタログの情報をエクセルに入力することです。商品ごとに電子カタログを作る作業でした」。サイトで買えるようにするためのシステム開発、仕入先探しなど、事業を実現するために必要なことは山積み。さらに業界の逆風もあった。「間接資材をeコマースで、しかもワンプライスで販売するなんて認めてもらえず、仕入させてもらえないこともありました」

苦難を乗り越え30万商品を販売できる体制が整い、サイトが稼働できるようになったのは2001年春ごろ。立ち上げまでに1年を要し、いかに怒濤(どとう)の日々が続いたかがうかがえる。

事業は波に乗り、成長を遂げはじめた2006年、マザーズ上場を機に出向者は引き上げるように命じられる。「イチから立ち上げに参加して思い入れもあったので、残りたいと頼みましたが聞き入れてもらえませんでした」。ほどなくして鈴木氏は退職を決意したのだった。

36歳で突然の社長就任

住友商事を退職した鈴木氏は、日本有数のインターネット企業に入社する。Webマーケティングを学ぶためだ。「数年は働くつもりでしたが、1年もすると戻りたくなってしまって。瀬戸にお願いして雇ってもらいました」。こうして2007年、モノタロウの一員として再び働き始めた。

マーケティング経験を生かし、2008年には執行役マーケティング部長となり、当時の社長だった瀬戸氏の右腕となって働いていたある日、突然「代表を君に代わろうと思う」と告げられる。2011年のことだった。「こんなにも早くこの日がやってくるとは想像していなかったので、準備ができていませんでした」。このとき鈴木氏は35歳、瀬戸氏は15歳も年上の50歳。

瀬戸氏は「経営者としての能力は自分の方が上だし、10年たっても自分の方が上だろう。だが、10年後に交代するなら早く交代しておいた方がいいと思った。だから今、交代しよう」と鈴木氏に告げた。住友商事時代からの大先輩で、その背中を追いかけてきた瀬戸氏からの言葉を受け、2012年3月、鈴木氏は取締役兼代表執行役社長に就任した。

物流の変革期にできること

増収増益の快進撃を続けるモノタロウ。売れる商品はプライベートブランドとして内製し利益率を高める一方、商品のスピード配送を支える物流システムも同社のストロングポイントのひとつ。新設された笠間ディストリビューションセンターには、商品棚を自動で作業者のところまで運んでくる自動搬送ロボット「ラックル」が160台近く導入されており、革新的な技術やシステムの内製、導入に余念がない。

しかしeコマースは、いま配送の変革期を迎えており、同社としても対策が急務。「当社に限らずeコマースは大きな物流センターにたくさんの品をそろえて、そこから一度に配送しています」

どれだけインフラが整っても、物流拠点の立地等で時間がかかることもしばしば。個配にしていては何かと無駄が多い。「カーシェアが進んだように、物流もみんなでシェアするようになれば無駄がないですよね。部屋も、車もシェアする時代。配送もそのような形が主流になっていくかもしれませんね」。物流拠点を増やすことも視野に入れながら、新しいシステム作りのために、ITエンジニアやデータサイエンティストの活躍が同社のさらなる飛躍の鍵を握りそうだ。