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日本の「ものづくり」を守るために、
国産の車載OSを自動車王国・名古屋から

APTJ株式会社

ここ数年、自動車はまさに「走るシステム」の様相を呈している。それに伴って自動車業界には世界中からIT企業が参入し、国際標準という覇権を巡って激しい競争を繰り広げている。そんななか、2015年に名古屋大学から誕生したベンチャー企業・APTJに世界の注目が集まっている。後発企業でありながら設立直後に数億円の投資を集め、設立5年で10億円という高い売り上げ目標を掲げる同社。その背景を、設立者である高田広章代表取締役会長兼CTOと高嶋博之代表取締役社長が語る。

名古屋大学から生まれたベンチャー企業

東海地方で抜群の人気を誇る名古屋大学は、地元では親しみを込めて「めいだい」と呼ばれる。だが同じ呼び名が首都圏では別の大学を示すように、全国で見ると名古屋大学の人気は決して飛び抜けて高いとはいえない。

しかし近年、同大を主な研究拠点とする野依良治教授や赤崎勇教授、天野浩教授らがノーベル賞を受賞し、また同大で博士号を取得した下村脩博士、小林誠博士、益川敏英博士らも相次いでノーベル賞を受賞したことにより、同大の基礎研究レベルの高さが世界的に注目を集めるようになった。

研究レベルの高さは基礎研究に限ったことではない。名古屋はトヨタ自動車のお膝元ということもあり、自動車に代表される「ものづくり」の分野でも、ハード・ソフトによらず、素材・環境・社会インフラまで、さまざまなテーマで先進の研究が行われている。

そして2015年、こうした研究機関のなかから、世界が注目するベンチャー企業が誕生した。それが、車載制御システム向けのソフトウェアプラットホーム(SPF)開発を行うAPTJ株式会社である。同社の設立の経緯には、日本のものづくりの未来を信じる人々の決然たる思いがあふれている。その背景にある「志」に迫る。